特別企画!!!・・・・・・・・・・・というほど御大層なものでもないが・・・・・・・・

大々的に散文な欧州紀行記録を掲載!!
さあ、はじまるよ〜ん。


10月20日 飛行機なんて大嫌い

  朝8時に家を出る。
  総武快速線に乗った段階でゴミを出し忘れに気がつく。かなり鬱。まあ、腐るものは
それ程は無いのが慰めか。
  徹夜で出るつもりが朝方3時間以上寝腐ってしまった。これだけ寝てしまうと殆ど寝
ないでもすむ体質なので、困ったものだ。少々空港に早く入り過ぎたようで、暇を持て
余したので、渡欧中は日記でも書くことにする。空港はそれ程混雑しているようには
見えないが、日曜発というのはあまり多くないのかもしれない。
  定刻より20分遅れでブリティッシュ・エアウェイでフライト。やはりどうにも離陸という
のは気分が悪く、何度経験しても慣れるものではない。
  というよりも飛行機に乗るのが嫌じゃああ〜〜〜。

  で、座っている列が全部空席なので、さっさとゴロ寝体勢に突入。ロンドンまで11時
間30分、兎に角長い。あまり眠れない内に2回目の食事を迎える。その後、漸くうとうと
とし始めたら、ドカン、という衝撃で目が醒める。夢うつつのうちに着陸していた。一番嫌
いな着陸をうやむやのうちに済ませることができたのは幸い。
  ロンドンの天気は雨模様。どんよりとくすんだ感じが印象的。いかにも冬の英国という
俗なイメージにぴったり。とまれ、初の英国。とはいえ単なる乗り継ぎ。さっさと乗り継ぎ点
へと向うが、遠い。結構歩いてシャトルバスで10分以上揺られ、到着。
  外はかなり冷え込む。気温は10℃ということ。冬用のジャケットを日本では暑いのを我
慢して羽織ってきたけれど、ここで役に立った。
  乗り継ぎターミナルへ向うが、出発の15分前まで出発のゲートがアナウンスされないと
いうのには驚きだ。まあ、のんきというかマイペースというか。
  しかし、ゲートからバスで飛行機の下まで揺られてタラップから飛行機に乗るというのは
初めての経験。一昔前の乗り方のように思える。
  で、乗ったのは良いが、滑走路が混雑中とかで20分くらい待機。流石にジャンボと比べ
てエアバスは狭い。ロンドンまでは英語と日本語の機内放送があったのだが、フラマンシュ
語と英語になってしまう。う〜む、欧州だ。
  飛行時間は実質40分少々。ロンドンからブリュッセルまで1時間かからないとは。欧州は
狭いものだと実感させられる。
  到着は20分遅れの午後9時50分。入国管理局で、かなり胡散臭そうな顔をした若い管
理官にかなり詳細に突っ込まれる。いちいち、手元のライトを照らし、顔写真とパスポートを
照らし合わせて、確認している。いきなり「英語喋れるか?」と聞いてくるあたり、どうにも亜
細亜系は舐められているのか?
  隣で入管を受けていた日本人らしい(別の飛行機で到着の模様。こっちの乗り継ぎ便に
は東洋系は皆無だったから。)人も相当突っ込まれていたようだ。
  で、迎えの人とはすぐに落ち合うことができた。ウチの会社のロゴとMr.Moto某と書いた
紙を持っていたので。これは一安心。
  早速ブリュッセルからゲントという街へと向う。雨模様であり、結構疲れていたらしく車内で
うたた寝。気がついたらホテルの前だった。
  で、早速チェックインして、シャワー浴びて寝る準備。現在日本時間の午前6時。
  22時間の旅が取り敢えず片道終了。

  しかし味も素っ気もない記録になっているわね・・・・。(苦笑)
  明日から少々指向を変えれると良いが。

10月21日 ギルドの街

  早速、世界中で欧州のみが選択している某アプリケーションの講義が始まる。講師役は
Tine De Vreeseという人で、これまではメールを介した情報交換のみだったのだが・・・・・。
  一夜明けると、ホテルの周りは教会の大聖堂が3つも並び、路面は石畳、しかも路面電車
やトローリーバスが数分おきに行き交う旧市街の中心。

会社までピックアップしてくれるDr.Eddie Van Hutte氏は、この
ゲント(Gent)という街が中世城塞都市の名残を示していることを
行きしがら伝授してくれた。
第二次大戦でも破壊されなかった古い建造物がそこかしこに残
っており、欧州の歴史を感じさせる。
ちなみにドクター・エディはてっきり阿蘭陀人だと思っていたが、
白耳義人ということ。サッカーとF1が大好きで、ティエーリー・
ブーツェンやベルトラン・ガショー、エリック・ヴァン・デ・ポールと
いった白耳義人ドライヴァーを東洋人が知っていることで驚いて
いた。
欧州本社に着いて、驚きはTineさんが女性、しかも30代半ばの
精力的な女性であることだ。日本ではこの年齢の女性が、プロ
ジェクトの中心になることはまだ実現不可能だろう。
ちなみにTineでティナと発音するそうな。
久方ぶりに英語のみの生活になるが、聞く分には全くブランクが
ないのは有り難い。化学と生物学の応用講義から始まったが、
  取り敢えず話す方が、相当錆び付いているのが問題なだけ。
  昼飯は30センチ以上のフランスパンを使ったサブ。(サンドウィッチ)かなり歯応えがあり、これを
毎日食べていると間違いなく顎の骨が鍛えられるだろう。
  10月末まで夏時間採用のため、19時を過ぎてもこの季節にして相当明るい。
  18時くらいから、一緒に講義を受けている伯剌西爾支社から来た化学者ルイス氏と街をぶらつい
てみるが、殆どの店は18時で閉まってしまう。

  観光地であるため、そこそこ土産物屋が並んでいるが、ところどころで日本語の案内があるのには笑える。
  欧州支社に純粋のアジア人が来たのは自分が初めてであるということだそうだが、ゲントの中心街には相当数の日本人が訪れ、写真を撮りまくっているそうな。
  欧州人にはアジア人の区別はつかないらしいが、写真機を持っているのはヤポンという公式が出来上がっているようである。・・・・・ま、エエねんどけね。

  夕食は天井がガラス張りになったレストランに連れて行って貰った。何とトイレがマジックミラーになっており、中から外が丸見えという冗談にしては相当ブラックなつくりだ。しかも便器は普通は透明なのに、爆撃を敢行すると白く濁るという、これまたよう分からんつくり。
  時差の影響はあまりないのが幸い。我ながら適応力のゴキ並な点に感心。

10月22日 欧州という場所

  白耳義を横断。アルデンヌの森を見つつ、独逸に入国。EU発足後は一切パスポートを
見せる必要がないというのには、今更ながら驚き。トラックだけは国境に設けられた税関に
立ち寄る必要があるそうだが。
  欧州連合では高速道路の制限速度は通常120kmである。やはりオペルやメルセデス、
アウディといった独逸車が多い。
  日本車だらけの米国カリフォルニアとはえらい違いである。
  まず、現地の工場を見学。これまた驚きはヘルメットを現場でする必要がないこと。帽子
すら必要ない。その代わりに、耳栓が必須になっている。これは機械から生じる騒音が鼓膜
や脳に悪影響を与えるために必要になったそうだ。
  しかし、欧州人の体格に合わせて機械を作っているのは流石であると思う。日本ではメン
テナンスや作業する人間のことをお世辞にも考えていない配置があまりにも多く、平均身長を
かなり上回る私は相当あちこちに頭をぶつけることが多々あり、メット無しでは今頃は頭の形
が変化していること請け合い。・・・・その方が脳味噌の容積が増えてよかったかもしれんが。(笑)
  夕刻には再び白耳義へ。天気は雨模様がずっと続いている。今日は写真を撮る暇がなかっ
たが、まあ工業地帯に出かけただけなので、面白い写真は撮影できんかったとは思うねんけど。
  晩飯はホテルの傍のレストランにルイス氏と出かける。カルボナーラを頼んだら、器が某カレ
ーショップの1500g以上の大きさの空飛ぶ円盤並に大きいので魂消る。
  当然残さず食べた。貧乏性に万歳。ルイス氏は半分ちかく残していたが。
  この器は写真に撮るべきだったか。少し後悔したりしている。


10月23日 虹の国

  本日は北独逸のかなり大きな工場を見学。及び実際の製品の試験。
  朝7時にゲントを出発して阿蘭陀へ入り、そのまま北部独逸へと向かうルートを選択の予定。
  が、Tineさんと会話が弾みすぎ、行くべき高速道路を逃してしまう。Tinaさんはかなりの方向音
痴であり、目的地までの高速道路乗り換え表を常にアンチョコで見ながらでないと運転できない
くらいなのだ。
  で、結局、一度高速道路を降りて下道を1時間くらい走るハメになる。完全に目的地に行かない
高速道路に乗ってしまったのである。
  しかし、結果として下道を走ったため、綺麗な阿蘭陀の田園風景が楽しめた。これは思わぬ福音
だった。が、私が臨時に阿蘭陀の地図を開いてナビゲーターを務める必要に迫られ、全く知らない国
また初めての土地で地図と現在位置を合わせる作業に追われる事になったりもした。
  まあ、楽しかったからヨシとしよう。
  しかし、阿蘭陀から独逸の国境を越えた瞬間に制限速度の制限がなくなってしまうので、いきなり
平均速度がグンと上がるのはやはり面白い。アウトバーンで有名な独逸の高速道路だが、殆どの場所
では制限速度ナシ。一部で通勤時間には制限を設けたり、主要でない高速道路では速度制限がある
とのことで、実際に標識を見て納得。やはり、現地に行かないと分からんことは多い。
  それにしても180kmで走っているこっちのアウディを余裕で捲くっていく車が結構あるが、200km以
上で走行していること間違いなし。あれで事故でも起こしたらまずトマトだろう・・・・・。
  で、独逸の工場だが、相当に環境に気を配っているのがわかる。整理整頓とか物凄いキッチリと
していて、几帳面で凝り性なゲルマン民族の気質が非常に表れていると思った。
  しかし、皆英語が達者なのには驚く。日本ではこうはいくまい。
  Tineさんのメインな言語は白耳義の公用語であるフラマンシュ(フラマン語)と仏蘭西語は殆ど完璧
に話せ、最も言語人口の少ない独逸語も「なんとか」話せるそうな。
  まあ、このあたりの歴史とかはどっかで調べればすぐに分かるが、フラマン語は阿蘭陀語の親戚み
たいなもんであるそうで、Tineさん曰く「アメリカ英語と英国英語くらいの違い」ということ。
  つまり、Tineさんは阿蘭陀語も全く不自由なく話せるのだ。日本とは随分違う。
  言語体系が似ているとはいえ、トライリンガル以上というのは凄いもんである。日本では隣国の韓国
や中国語を話せる人口はどれほどいるかを考えればやはり驚嘆に値するだろう。
  で、話を戻して、工場でみっちりと講習と実地をした後、今度は阿蘭陀の海っ端にある工場へと向か
う。車で4時間ということだ。
  日中は何とか曇り空だったが、再び阿蘭陀の国境を越え、アントワープ郊外を通過した辺りから、もの
凄い豪雨になる。が、局地的な豪雨いうか少々先では青空が見えているのに、現在の場所はバケツを
引っ繰り返したような雨という状況が続く。
  5分おきに雨、晴れ、雨、晴れと連続したり、天気雨の場所も多い。なんと素敵な気候だろう。
  日本では天気雨を「狐の嫁入り」という、と話すが、理由を聞かれて説明に四苦八苦する。
  で、この異常な天気にも思わぬ効果があった。
  あちこちで虹が掛かっているのだ。少なくとも1時間に8つくらいの虹を見ることになった。
  場所によっては虹が2つ並んで掛かっていたりした。久々に虹を見れて何となく感動。

  慌てて写真を撮影。左には牛が見えるかな?赤いポールは風力発電のための風車。
  この風車はあちこちでお目にかかることになる。
 阿蘭陀は全く山地がない「フラットランド」ということだが、
牧草地には、牛、馬、ポニー、羊があちこちで雨をモノとも
せずに草を食んでいる。
 写真をとり損ねたが、牛が牧草地でのんびりと佇んでいる
すぐ隣が煙を吐いている工業プラントだったりするという異様
な風景も多々見られたが、これは自然環境へのアセスメント
を完全に考え、汚染が最低限になるように厳格な法律をパス
して工場が建てられるから可能なのだそうだ。
 日本ではまず見られない工業地と農業地の隣接に欧州の
先進性を感じたりした。
 それにしても、牧草地が延々と続き、地平線が見えるという
風景はイリノイ州とかオハイオ州では、あまり違和感がなかったものだが、狭い欧州で地平線を見れるとは正直意外。
  虹を楽しみつつ、19時前に宿泊地である小さな街に到着。
  明日は帰り道を変えて、有名な阿蘭陀の海岸堤防を通って、アムステルダムを横に見つつ
白耳義に戻るルートを取ってくれるということ。観光に来た訳ではないけど、こういった心遣いに
は感謝。
  夕食の付けあわせ的な味付けパンが一番美味しかった。


10月24日 海抜下の国

  阿蘭陀で一泊。
  印象は風の国。以前住んでいた合衆国はWindy Cityの異名をとるシカゴではミシガン湖を
離れた郊外に住んでいたため、どうにも風という存在を実感できなかったが、阿蘭陀では冬とい
う季節のためか、常に風が吹いていた気がする。
  遠景で分かり辛いけども、これが風力発電のための
風車。無機質なデザインだが、機能美に溢れている。
  このような電力供給をするということは余程年間を通
して風が通らないと、こうもあちこちに風車を立てること
ができないだろう。
  自然との付き合いが上手な欧州の一面を見た気が
する。で、阿蘭陀の写真なんぞによくある風車とチュー
リップという風景にはとんとお目にかかれなかった。
  阿蘭陀に入る前は、そこかしこで風車が回っている
ものと考えていたのだが、実際あのような巨大な風車
はあんじょう観光用オンリーらしい。現実にはちょこちょ
こと小さな風車を車窓から見た程度。

  ●しかし、クリーンエネルギー生産方法だ。小さくて見難いが。(笑)


  小麦を轢くのに風力を利用するというのが、同じ働
きを水車でしていた日本との水資源の豊富さの差異か
もしれない。
  観光に行ったのではないので、阿蘭陀では風車は
5台くらいしか見れなかった。しかし、風力発電用の冷
たい機械感とは異なりやはり暖かいものがある。
  意外に白耳義で風車を数台見た。Tineさんによる
と、別に粉引き用途の風車は欧州では珍しくないそう
な。現在は殆どが現役を引退しているそうだが。
  昼過ぎまで客先に留まり、昼食までお世話になっ
てしまった。味は兎も角ヴォリュームだけは満点だった。

                                     ●少々小さいが中央に風車。風は強かったが回していないというのは寂しい気がした。

  帰りは、ザイデル海を完全封鎖して淡水のアイセル湖を作ってしまったプロジェクト
が最も有名な大堤防(=ダイク)を通っていく。写真はどちらも完全に海に見えるが、北
海が左側。アイセル湖が右側。
  土地を広げようとして埋め立てをしようにも、その砂利を採取する山が全く無い阿蘭陀
では干拓しか方法がなかったとはいえ、何とも雄大なプロジェクトである。

  それにしても風力発電を多用する一方で、このような大ががりな工事を戦前から1992年まで続けているというのが欧州民族の鷹揚さというか気の長さというか。
  一時期独逸に完全に占領されていたというのに、戦後にもしっかりと工事を再開しているし。
  大陸気質というべきかもしれない。しかもアイセル湖は淡水化を地道に行いほぼ淡水湖となっているから、これまた大したもの。
  工事となると政府の息の掛かったものは全て、政治屋の利権絡みにしかならなく、某河川の河口堰の中止とかで醜く揉める我が国は色々な意味でまだまだ低レヴェルであるなあ、等と偉そうに思ったりするのだ。

                                     ●反対側には土産物屋が入店した展望タワーもある。

  この堤防を渡ると、有名なアムステルダム。ソフトドラッグが解禁でも有名だが、勿論
教会の尖塔が物凄く多い街並みを見ながら通過。
  日本の京都やって、あれ程の寺の密度はない。いかに古い建築物を大切に残している
かが分かる。古墳をバンバンとぶち壊して新興住宅を建てるという民族とは根本が違うという
気もするのだが。
  「この大地は神が創り給うた。しかし阿蘭陀の大地は人間が創った。」
  平原の国を旅した。車窓から外を眺めるだけでも面白い。人とのふれあいは仕事でたっぷり
やってるので、名所を日本語ガイドで回るツアーよりも素の顔に触れていると思うのだ。
  まあ、負け惜しみだけどね。(苦笑)


10月25日 落ちるドロップ

  阿蘭陀の工場を訪問して、客先で昼飯をご馳走になっている時、Tineさんが、とあるお菓子の
話題を持ち出した。
  先日、彼女が運転中に「食べていいよ〜ん」と勧めてくれた砂糖菓子のことである。フラマン語
では「鼻」という愛称で呼ばれている。形としては明●のパラソルチョコ(古いわい!)まんまなのだ
が。(笑)確かに鼻の高いゲルマン系の民族には「鼻」と名付けられるのも理解できるもんである。
  スーパーマーケットの入り口にも山積みになっていたし、一般に親しまれているお菓子であるこ
とは間違いないだろう。
  で、肝心の味は、グレープ味の(他にもあるのだが、食べたのはぶどう味)グミを固めて少々酒精
を垂らしたものを砂糖で煮詰めて固めた感じ。甘いものでも何でもゴミバケツのように食い捲くる私に
とっては、それ程ヘンテコリンな味ではなかったが、何個も食いたいとは思わない。
  で、あまり食が進まなかったのを彼女が見ていたので、
  「MOTOには「鼻」はいまいちのようだったね。」
  という話題になったのだが。その時、彼らは阿蘭陀語で何か話した後、
  「だったら、是非アレも試してもらわないと、阿蘭陀に来た甲斐がないよ!」
  と面白そうに言った。それは何でっしょ?と尋ねると、
  「キャンディのようなもの。塩味のキャンディと思ってくれれば良い。僕達は単に『Drop』と呼んでる。」
  「まあ、何処でも売ってるから買って食べてみそ。」
  とニヤニヤを数人のスタッフが顔に笑いとして貼り付けていた。
  で、阿蘭陀からの帰り道、給油にガソリンスタンドに立ち寄った時、Tineさんが、「さっき話題なった
のはこれね。」
  と一袋のキャンディらしきものを購入してくれた。
  それが、コレ←!!!
  万が一のために、製造元は分からんように加工して
置いた。・・・・・非常にアヤシクなってしまったが、そのあ
たりはギャグとして流してもらえば幸いだ。(をい)
  真ん中の字は大きい方が、
  「素晴らしい味のドロップ」
  下の小さくて見えない地が
  「辛い塩味」
  というような意味だそうである。
  この一見変哲もない、黒飴のようなイラストが書かれた
袋を見た時は、
  「まあ、少々けったいなもんやな。」

  としか思えなかった。海外生活結構やってると、見かけやデザインが民族感覚として奇抜な
ものに見えることは珍しくないし、この「ドロップ」は至ってマシな方に属するだろう。
  色が黒というのも、まあ飴には黒っぽいのはよくあることであるし。
  で、実際はこんなもの。↓

  少々、不鮮明な写真だが、形は円形、四角、そして三角
形という多彩(どこが)さを誇り、一見すると濃いチョコレート
や珈琲の飴にも見えないこともない。
  「塩味のキャンディ」というのは日本でいう素昆布みたい
なもんだろうか、と結構好奇心をそそられていたし、もしくは
梅味の飴みたいなものかもしれないという漠然とした予想も
していたので、特別躊躇うこともなかった。
  が、Tineさんが、「これがアノDropだからね。」
  「どんな味がするかな〜。日本人には〜。」
  と、非常に含みのある笑みを浮かべているのが気にかか
った。どちらかというと、悪戯小僧さんのような笑みか。
  「不味いの?」
  と聞いたら、
  「無理に食べなくてもいいから不味かったら窓から吐いて捨ててね。」
  という何とも不安なお答え。
  で、食べた。
  ・・・・・・世の中には、最初の一口は不味いけど、噛み締めているうちに
美味しくなる食い物はある。

  が、これだけは、

 べんげらげらげら〜ぽるぱんこれぴあ〜!!

  という味だ。表現の仕様は、正直ない。皆無。零。ナッシング。いんぽっしぶる!!
  ・・・・・・・・・強いて言えば、

 カブト虫の糞の味〜〜〜ィ!!

  ・・・・・・・・ということで、この味を体験したいキトクな人は私までメールしておくれ。(をい)
  郵送してあげるので。(いらんわい!!!)

  但し、条件がある。

  壱:絶対に食べること。無理して飲み込む必要なし。

  弐:感想は必ず、掲示板に書くこと。

  以上。


10月26日 欧州音楽事情

  と10日以下しか滞在しなかったので、事情という程には全体像を掴んだ訳ではない。然れども
やはり、音楽好きとしては自動車で西欧州北部を移動している間はカーラジオから流れてくる音楽
や、街頭で流れている音楽には耳目を傾けざるを得ないという脊髄反射がある。
  よって、私なりに集めた情報を少々開示しておきたいと思う。
  まず、1990年代以降のロックンロールというのは、まあティーンズ向きのレストランやバーに足を
運んだわけではないので何とも言いがたい面もあるとはいえ、街頭ですら殆ど聴くことができなか
った。殆どが1970から80年代かけての「懐かしのヒット曲」であることが多い。更に、それらのナンバー
をユーロ感覚でリミックスしたリズムナンバーもかなり多いのが特徴的だった。
  また、かなり浸透しているのがルーツロック、カントリーロックである。これまでは「情報」としてし
か知らなかったことだが、良心的なアメリカンロックやアメリカンルーツがかなり市民権を得ている
ことがラジオ局のローカルヒットナンバーを聴くと良く分かる。Stewbossのナンバーを聴いた時は相当
驚いたものである。日本ならまず掛からないに違いない。(涙)
  それに、レコードショップでもカントリーロックやオルタナ・カントリーのコーナーを設けているところ
がかなりあり、しかも米国ではマイナーレーベルの発売であるCDが独自の国内盤として相当品揃え
が豊富でもある。
  欧州のオンラインショップとまでマニアックではないけれども、日本の外資系レコード屋よりも遥か
に着眼点の趣味が良い。
  同時にダンス系の音楽も多いのはユーロカントリーのためであるかもしれないが・・・・・・。

  また、彼ら独自の言語、つまり母語で歌われる曲だが、これが相当少ないのには驚いた。昔は、
英語の歌のバンドが専用線として存在したこともあるらしいが、現在では10曲に1〜2曲くらいしか
独逸語や阿蘭陀語、フラマン語の歌はオン・エアされない。
  不審に思って尋ねてみると、やはり母語の歌のシェアは20%は絶対に行っていないだろう、と予想
する人が殆どだった。(当然彼らも正確な数字は知る由もないだろうから。マニアではないので。)
  大半が「メロディだけ楽しめれば良いから、フラマン語の歌でも英語でもどっちでも良いなあ。」
  という意見を占めていた。ウチの会社では。
  音楽マニアでないのなら、まあこの線が妥当だろうとは思うが、彼らは実に達者に英語を話すの
で、アルファベットすら持っていなかったアジア民族とは耳の質が異なるとは想像が付く。
  まあ、ウチの会社は最低限の英語は会話と作文で必須な能力なので、余計にそう感じるかもしれ
ないけれども、街角や食堂やファーストフードでも英語は実に問題なく使えたことを考慮すると、やは
りメロディだけ、と述べつつ聴き取りもある程度できているからこそ、英語の歌にチャートとラジオチャ
ンネルが占領されてしまったのではないだろうか。

  それにしても、洋楽が年々売れなくなる日本とはえらい違いであるものだ。やはりオルタナティヴと
いうクソ袋しかメディア情報として入手できず、HR/HMを代表とする1980年代の残滓でお茶を濁してい
る本邦の洋楽市場では、これ以上の発展は望めないと深く思った。
  もっと良質なアメリカンロックやポップさえ欧州のように輸入されてきていれば・・・・・・・。
  所詮過程の話だが。


10月27日 欧州雑考

  半日の総括で、後はお土産を買うという最重要任務に就かなくてはならなかった。
  と、その前に街角のベーカリーでベルギーワッフルをしっかりと味見する。大型タイ焼ほど
の大きさのワッフルが日本円で200円少々。その場でオーブンで焼いて出してくれる。
味の感想としては激烈に甘い。砂糖がかなり使われているため、これだけを食べるのは甘
党でないと辛いだろう。が、不思議に美味しいのは異国という環境にいるためだろうか。
  ゲントの街中では、特に会話に困ることも無い。どっかの誰かが欧州では英語が通用し
ないと書いていたような記憶があるのだが、嘘コケと思った。
  頼まれていたコインと切手を買うために街の小さな古銭屋に入った。カラコロと鳴るドア
ベルに導かれて店内に入ると、小さな螺旋階段が店の中央にあり店主らしい渋いおっさんが
階上から降りてきた。「仕事場は2階にあるんでせうか?」と尋ねると「そうじゃよ。」という答え。
  何だか古い時代に戻ったような感じがしたもんである。このおっさんもベーカリーのネーチ
ャンも英会話問題なし。グロセリーのレジの兄ちゃんも同じく。

  やはりアルファベットを使っている言語
はお互いに習得が速いのだ。それにしても、
物価の高いこと、高いこと。500mlのペットボ
トルの飲料の平均価格は1.5ユーロである。
(180円以上)
  レギュラーのガソリン1リットルが130円弱。
日本と比較しても相当に高目。
  マクドナルドのセットメニューは610円以
上。しかし、何処にでもあるマクドナルドであ
る、まさにワールドワイド。
  が、それだけ価格適正な流通が行われて
いる証拠だろう。日本のように価格破壊が起
こっていないのだ。

●古銭屋の前にある映画館とかレストランとか。旧市街はなべてこんな感じ。

  しかし、社会問題は同じく抱えているようで、白耳義でも医療保険や年金を将来的に
支払う年齢層が絶望的に不足していて、税金の値上げ等に庶民は文句タラタラらしい。
  また、流入する多国籍労働者の犯罪や居住地区のスラム化、犯罪の温床になる、等の
潜在的な先進国の悩みは万国共通の模様。
  煙草も相当に高い。が、市街ではポイ捨てが平気で行われているのには驚いた。会社
は当然全面禁煙、国際線も日本以外のエアラインはほぼ全て禁煙となっている。広告も一
切見られないのは米国以上に厳しい。
  しかし、ホテル周りは外国人が多い地区のためか規制が緩い???
  スパスパと吸ってる若い女性が多かった。後、生活食料品と酒は安い。これは日本より
遥かに暮らし易そうだ。
  特に税金が掛かる酒の類はその分を差し引いてもかなり安かった。土産に白耳義産の
ワインを買おうとしたが、Tineさんに止めといた方が良い。フランスとかスペインのを買っとき
なさい、と言われた。(笑)
  白耳義はお菓子を買うべき土地であるらしい。(苦笑)

  会社のあるエリアは、城砦都市の外にある工業地帯の運河に面した工業地帯である。
  昔の名残のある厳重そうな鉄門を抱いた水門を越えると、本格的に運搬船が航行できる
運河が流れている。この運河は阿蘭陀経由で北海まで通じているそうな。
  水運自体が、流れの急な日本とは異なり、河川から水路を曳いて巡らせたことで発達し
た欧州ならでわの風景は、中央から開く跳ね橋が物凄く多いことと、橋の下に置かれてい
る船舶用信号機。
これはどの国に行っても何処でも見られた。路面電車の信号ではなく、船舶用の信号が船
の視点から見えるように運河に掛かる橋から橋に掛かっているのは見ていて面白い。

  ホテルの周りは旧市街といい、古い町並みが意図的に保存されているのかと思いきや、
特別なことはあまりしていないそうな。ホテルから見える建物はどれも意図的に古典建築を
デザインして建てられたマガイモノ、ではなく本当の中世から残っているものが多いというこ
とだ。
        
       ●大聖堂の対面にある、これまた大聖堂。ホテル周辺では
        3つの大聖堂が見れるというこの街一番の景観が自慢だそうな




●ホテルの真ん前の大聖堂。頂上までは登れないが。

  第二次大戦で本土を焼け野原にされた日本は多くの建築物を失ってしまったが、
欧州は生活の場が戦場そのものとなりながら、多くの遺産が残っている。
  このあたりに同系統の文化を持った白人種間の戦争と日米の戦争のあり方の違いを
思わず感じてしまったりする。
  結局殆ど雨模様だったが、土砂降りになることは殆どなく、たまに青空も見える天候が続いた。
  これが、欧州の冬らしい。雪はあるらしいが滅多に積もらないとのことだ。

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