第勇回 アスファルトに舞う鬼
アスファルトに・・
それはもうええちゅーねん!!
つーことで始めます。
生命の危機・・・・・・・・・・・。
まさに私はその危機の崖ッ淵に立っていた。
悪魔が囁く。
「こっちゃ来い、こっちゃ来い」
と。
しかし、この悪魔に屈服してしまうと、まさにあの世行きの片道
切符を切られること請け合いである。
何とかして耐えなくてはならなかった。!!!!!!!
発端は友人の誘いであった。京都市内にあるたった一つの天然●●(誹謗中傷になる
ため伏字)に行かないかという。
当時、私は社会の底辺な職業に就き、夜勤などをやっていたりした。しかも1週間で
シフトが昼勤に変化するので、体調の調整が難しいことこの上ない。
しかも当時、某ゲームにハマッていた私は、2日くらい貫徹でサルのようにゲームを
やりながら勤務し、日曜の朝に夜勤が終わったら24時間寝るつもりでいたのである。
そこへの突然の誘い。しかも京都市民もよう知らんようなスポット。
私は軽はずみにも約束を交わしてしまった。
「ああ、エエで。ほな日曜の10時に出町柳に迎えに行くわ。」
その頃、私は名古屋の電気街の外れの廃屋のような独身寮に住んでいた。
何せ、電話線を引く工事が「危険」故、不可能なボロである。まあ、どうでも良いが。
夜勤が終わったのが朝6時、それから名神高速をかっ飛ばして、一路京洛へ。
「まあ、寝んとつらいけど、その天然●●で休憩や仮眠できるやろ。」
軽率にもそう考えていたのが運の尽き。当時は3月の上旬であったが、その場所は
不快指数がその時の日本全国津々浦々より
推定120%は高かった
従って、休息をとるどころが、噴出する怒りを抑えるのに腐心した程であったのだ!!
私ともう一名(女子高の教師をしているという変態)は企画発起人の友人をどつきまわし
たが、それにて私の眠気が霧散する訳ではなかった。
失意の私は、卓球をやろう(何が悲しゅーて、数ヶ月ぶりに京都へ来てピンポンやらな
アカンねん!!)という誘いを無下に断り、込み合う市内を縦断し、三条通りをインター
へと向かった。
が、既に赤信号でストップするたびに意識が
あっちの世界へとすっ飛び、後方からのクラ
クションで復活。
予兆はあったのだ。・・・・・・・地獄のような拷問に耐えねばならない。しかも孤独にだ。
(予兆でも何でもない。単なる極端な寝不足。60時間以上無睡眠の。)
以下の記録はある種の極限状態に置かれた男の孤軍奮闘の(アホ)記録である。
最初は、眠いだけだった。(あたし前田のクラッ●ー)
まず、眠気覚ましのガムを買い、窓を開け、頬をつねり、ひっぱたき
大声でカーステレオから流れてくるMeat Loafの歌を歌い、眠気を忘れようとした。
どこかのドライブインで仮眠したら絶対に明日の昼まで寝そうで、欠勤は確実。
それだけは避けねばならなかった。海外駐在の選考用レポートの提出が明日であった
からだ。
結果:失敗。蛇行運転を繰り返し、数分間意識が途切れるという危機的状況が続く。
ために、第二段階へ対策を移行。
次いで、二の腕に出来たダニに(寮にぎょうさんいた。)噛まれ腫れた箇所へ爪楊枝を
突き刺し、眠気覚まし。
結果:失敗。瞬間的に眠気は飛ぶが、直ぐに暗黒がおいでおいでして意識が「宇宙の彼方へ」。
しかも非常に健康衛生上宜しくない。ために、第三段階へ対策を変更。
最終兵器、埃っぽい現場で働いているため、伸びるのが早い鼻毛を抜く。これは痛い。無意識
に涙が出るくらい痛い。しかも抜くのに失敗するとかなり痛い。(涙)抜けても痛い・・・。
結果:有効であったが、鼻毛を抜き尽くしたため、鼻血しか出なくなった。故に睡魔に襲われ
危機的蛇行運転が続き、失敗。ために、第四段階の手段を検索。
暫し、検索。(註:寝不足の脳味噌をフル回転。がこの間も意識が途切れがち。)
壱:マッチ棒で目につっかえ棒をする。
弐:手首を切って生命の危機を演出し、救急車で運んでもらう。
参:小人さんに(謎)運転を頼む。
勇:ナイト2000をレンタルする。
伍:全て忘れて兎に角寝る。
という発想だけは全く浮かばなかった。まさに根性である。(チガウ)
が、人間寝てへんとくだらんことを真剣に考え、
その考えのくだらなさに自分でゲラゲラ笑ってしまうんやね、
これが。一人で夕方の高速をドライヴしながら
笑い転げるうつろな顔した男・・・・・・・。不気味過ぎ
結果:当然全部ダメ。よって結論
我慢して運転する
「ある種の極限的な状況下において、とりうる行動は非常に単純なものである。」
/偉大なるクライマー ラインハルト・メスナー(大嘘でしゅ)
結論ははじき出された。(か?)故に私は目を皿のようにして襲い来る眠気に完全と
立ち向かった。が、その行為はまさに蟷螂の斧だったのである。・・・・・
もはや、意識が飛ぶのは仕方ないと(をい)諦め、極力まっすぐ車を走らせることに
専念。
有効なのが、他の走行車のスリップ・ストリーム(笑。が当時を回想すると笑えん。)
につけて追いかけまくること。これで集中力がつき、やや眠気が緩和される。
良い子は真似してはいけまへん。オカマ掘る危険性大!!!
しかし、この耐えがたきを耐えるという玉音放送を具現化したような私の努力をあざ笑う
かの如く、この局限状況下で、更なる敵が出現したのである!!
そう、それは幻覚という名の恐怖・・・・・・・・
以下はその魂も凍りつく症状をあげてみよう。
症状1:ふと目を上げると路面に大穴が開いている。慌てて急ハンドル&
急ブレーキー。
が、はっとして我に返ると何もなし。
症状2:ふとあっちの世界から帰還して、前を向くと、前方から大型トラック
が爆走してくる。で、急ブレーキ。
が、衝突寸前で消える。
・・・・よう横転とか追突せんかったもんやなあ・・・・。
症状3:何かカーステから以外の声が聞こえるので、朦朧状態からはっと
横を見ると、助手席に血まみれの長い髪の女性が座り、
ブツブツと呟き、ヒヒヒと笑っている。
さすがに、ゾッとして我に返ると、誰もいない。
症状4:夜空から次々と小型ミサイルが降ってきて、路面に着弾。火球が
生まれ、それを避けるため、蛇行運転。
追い抜いていく自動車のクラクションで我に帰ると、闇の中に伸びる
道がライトに浮かんでいるのみ。
症状5:ふと気が付くと、何処か分からない古い町並みを走っている。
子供が交差点から飛び出してきたので、急ブレーキ。
やってもーたか、と驚き意識が元に戻ると、高速を走っている。
今考えても、よう事故らなかったと思う・・・・・・・・・。細かいこと断片的にしか覚えていないが
他にも色々幻覚を見たようだ。
そして朦朧としながら、岐阜県へ何とか入った頃、前をタクシーが走っていた。
そのタクシーのルーフの上のロゴを食い入るように見つめて、集中し、眠気を逸らそうとして
何分か走った。
ふと気が付くと、何かが、タクシーの上で踊っていた。
何かと思えば「鬼」であった。
そう、金棒を持って、縞々のトラパンツ履いて、角が二本あって
身体の色は緑で、頭髪はモジャモジャであった。嗚呼、なんちゅー
ベタな鬼・・・・・・。
感想:「ああ、鬼が踊ってはるなあ・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何故不思議に思わんかなあ・・・・・・・・。(汗)
しかも踊りが盆踊り(笑)。おまけに歌まで耳元で聞こえてきた。
しかも♪「鬼のパンツは縞々パンツ〜」の歌である。
あまつさえ、私は
一緒に歌っていたりした。カーステからはエンドレスで
Meat Loafのハードチューンを流しているのに
♪「洗っても、洗っても〜」と異様にケタケタ笑いながら全く
リズムの異なる歌を大合唱。
しかも、だ。次第に鬼が一匹(でええんか?単位は。)
一匹と増え、五・六匹でタクシーの屋根の上で輪になって
踊っているのだ。
感想:「おお、増えた増えた。」(拍手つき)
カナリダメデス・・・・・・・。
♪「破れないパンツ〜」と更に私は異様な力に導かれ歌う。
と、何時の間にか、鬼たちがタクシーの車上から消え、私の
愛車のボンネットの上で今度はラインダンスを始めたのだ。
感想:「おお、ええど〜。もっと足上げろ〜!!」
ホトンドオワッテマス・・・・・・・・・。
今考えると、めっちゃヤバカッタです。全く違和感なく
受け入れておったしなあ・・・・・・。(汗)
それから後のことは、あまり記憶にない・・・・・・・・。(ヲイ)
兎に角、鬼たちと合唱してるうちに小牧インターへ着いていた。
小人サイズになった鬼たちが、インパネの上でダンスしていたような気もするし、
普通に会話していたような記憶もある。
正直、岐阜から名古屋までの正確な記憶がないんやね、これが。
気が付くと、鬼たちは消えていた。
正直、よう事故らずに帰還できたと思う。
ふと、回想するたびに思うのだが、あの鬼たちは私を睡魔から
救いに現れた妖精でなかったかと感じることがある。
私は、あのタクシーのランプの上でタコ踊りをしていた、緑衣
の鬼たちに感謝すべきなのだろうか・・・・・・・・。
それとも、逆に私をこの世から連れ去ろうとした子悪魔だった
のかもしれない・・・・・。
あの不思議な夜の高速上での出来事を私は忘れないだろう。
・・・・・・・・・・・・・・
って、格好良く纏めてどないすんじゃあああ!!!!!
今回の教訓
壱:高速では幻覚を見たら、即休息しましょう。
生命に関わります。(チガウダロ)
弐:2日以上寝てないときは高速道路の運転は
やめましょう。鬼が出現する確率が大です。
(アホかい!!)
参:「鬼のパンツ」の歌を知らない人はお父さん
(要オヤヂ入ってること)に聞きましょう。
こないな教訓あるかい!!!!!!!!!!
チナミニヨクジツハネボウシテタタキオコサレマシタ・・・・。
ココマデシタドリョクッテ、イッタイ・・・・。(涙)
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